受験で得た親友

私は幼い頃から絵を描くのが大好きでした。
紙と鉛筆さえ与えておけば、いつまでも一人で遊んでいるような子供だったのです。

それは成長するにつれエスカレートし、いつしか将来の夢は絵描きになることになっていました。
そのため、高校は本格的に絵が学べる学科のある高校を選ぼうと心に決めていたのです。

幸い、私の住んでいる地域には美術の学科を有した高校が存在していました。
私の進路は、そこに絞られたのです。

そして、受験当日。
受験の内容は、実技試験のみです。
倍率の高い学科だったので、会場の空気はかなり張り詰めていました。
私は過度の緊張とその空気に負けてしまい、試験前にお腹の調子を悪くしてしまいました。
しかし、どのタイミングでトイレに行けばいいのか判断出来ず、ただ机に縋り付くようにして痛みに耐えていたのです。

そんな時、声をかけてくれたのが後に友人になる彼女でした。
お腹が痛いと私が訴えると、今ならトイレに行けるからと言ってトイレに付き添ってくれました。
さらには、試験に集中できるように薬までくれたのです。
そのお陰で私は試験を無事に終えることが出来ました。

帰りに彼女にお礼を言いにいくと、自分もお腹が弱いから辛さがよくわかるんだと、笑って話してくれました。
そして、それをきっかけに私と彼女は一緒に駅まで帰ることにしたのです。